HomeMusicPsychedelic Rock

Psychedelic Rock

1960年代中頃、アメリカ西海岸を中心に「フラワームーブメント」と呼ばれる社会的な動きが起こりました。

その中で生まれた「LSDを服用した人間の歪んだ聴覚を再現しようとした音楽」、もしくは「LSDによる幻覚のイメージを取り入れた音楽」がサイケデリック・ロックです。

Doors、初期Pink FloydHawkwindなどが代表格として知られており、エフェクターを駆使することでトリップ感覚を巧みに表現しています。

また、イラストレーターのPeter MaxやWes Wilsonが視覚分野で行ったサイケデリック・アートに対応しており、ポスターやフライヤー、ライブ会場における演出等は極彩色に彩られていました。

Chronology※主要バンドのみ

白昼の幻想

白昼の幻想

サイケデリックな色調とフラッシュバックの多用で幻覚状態を映像化したアシッド映画の原点。レビューはこちら>>Movie

嵐の青春

嵐の青春

当時のドラッグカルチャーやヒッピー文化を描いた作品。レビューはこちら>>Movie

※バンド名/アルバムタイトルをクリックすると、そのバンドの公式HPもしくはファンサイトへ飛びます。

The Beatles / Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band

The Beatles / Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band

「仮想のバンドのライブ演奏」という設定の、ロック史上初のコンセプトアルバム。 サイケブームの先駆けであると同時に、ロックの社会的地位を向上させた作品です。 オーケストラやインド楽器の導入など様々な実験的要素が組み込まれていて、当時ロックを認めていなった人達もBeatlesに注目し始めたそう。 当時の時代性や音楽文化を踏まえて聴くことで真の価値を理解できるアルバムだと思います。 純粋に曲単位でBeatlesを楽しみたい場合は不向きかもしれません。

The Doors / st

The Doors / st

ヌメッとしたボーカルと呪術的なオルガンが印象的な唯一無比の存在。 バンド名はオルダス・ハクスリー「知覚の扉」から引用したそうです。 ブルースやジャズの影響が感じられる演奏や、ドイツ・オペラ「Alabama Song」のカバーなど、彼らの音楽センスには脱帽するのみ。 いまだかつて忠実なフォロワーが生まれてない事が彼らの独自性を物語っています。 詩人でもあるジム・モリソン本人が書く抒情的な歌詞も素晴らしい。

関連バンド

Love…LoveはDoorsの先輩にあたる。

Howlin' Wolf…Doorsの1stには、Howlin' Wolfの「Back Door Man」のカバーが収録されている。

The Velvet Underground / The Velvet Underground & Nico

The Velvet Underground / The Velvet Underground & Nico

パンクやニューウェーブ等のジャンルに多大な影響を与えたバンド。 現在では名盤として名高い本作ですが、内容が前衛的過ぎたために当時は完全にゴミ扱いされていたそうです。 そのフィードバック&不協和音の洪水は、今聴いてもアヴァンギャルドそのもの。 プロデューサーであったアンディ・ウォーホルの計らいで、彼のファクトリーに出入りしていた女性ニコがボーカルで参加しています。

関連ジャンル

Punk Rock…オリジナル・パンクの多くはVelvet Undergroundの影響を受けている。

Pink Floyd / The Piper At The Gates Of Dawn

Pink Floyd / The Piper At The Gates Of Dawn

後にプログレバンドとして大成する彼らですが、1stはアシッド感抜群の作品となっています。 まだこの頃はシド・バレットが在籍しており、事実上彼のバンドだったと言っても過言ではありません。 おもちゃ箱をひっくり返したような乱雑な雰囲気の中に、聴き手を疑似トリップさせてくれる演出がたくさん盛り込まれていています。 ジャケットから盤面のデザインまで全てに拘った、正にサイケを代表する1枚。

Jefferson Airplane / Surrealistic Pillow

Jefferson Airplane / Surrealistic Pillow

グレイトフル・デッド等と共に、ベイエリアのサイケデリックシーンを引っ張っていたバンド。 本作は60年代後期の空気を全て詰め込んだような記念碑的作品なので、ロックファンなら是非押さえておきたいところです。 メンバーの中に1人だけ女性がいるのが特徴で、その女性ボーカルがリードをとる「Somebody To Love」はサイケ史上屈指の名曲。 この頃から女性がボーカルをとるロックバンドが一般的になっていきました。

Love / Forever Changes

Love / Forever Changes

黒人ボーカリストのアーサー・リー率いる、ロサンゼルスのフォークロックバンド。 同じElektra所属のDoorsの先輩にあたり、交流も深かったようです。 Rolling StonesBirdsに影響を受けており、メンバーに黒人が在籍しているにも関わらずブルース色は希薄。 特に3rdに当たる本作は清涼感たっぷりのアコースティックサウンドとなっています。 後のネオアコやギターポップはこのアルバムから多大な影響を受けているそう。

関連バンド

The Doors…DoorsはLoveの後輩にあたる。

The Byrds…共にネオアコのルーツとされている。


関連ジャンル

Neo Acoustic…Loveの特徴であるアコースティックな音色がNeo Acousticのルーツとされている。

>>My Space

Hawkwind / Space Ritual

Hawkwind / Spase Ritual

1969年結成と、割と遅咲きのサイケデリック・ロックバンド。 数々のメンバーチェンジを繰り返しながら電子音等を取り入れた独特のスタイルを確立し、以後生まれたテクノ・ミュージックなどに多大な影響を与えました。 彼らの持ち味は宇宙を連想させる広がりを持ったサウンドで、ただただノイズの嵐に身を任せるしかありません。 特にライブ盤である本作は、聴き手をトランス状態に陥れるような作用を持ったアシッド感たっぷりの1枚。

Grateful Dead / Live Dead

Grateful Dead / Live Dead

1965年アメリカカリフォルニア州サンフランシスコで結成された、サイケデリック文化を代表する偉大なバンド。 彼らの真骨頂はスタジオ音源ではなくライブの即興演奏であり、ライブ音源である本作はそんな彼らの魅力がこれでもかと詰まっています。 1曲の演奏時間が非常に長いのですが、一切無駄が感じられず、彼らが米国随一のジャムバンドとされたのも納得の内容。 当時の時代性を象徴する歴史的名盤です。

The 13th Floor Elevators / The Psychedelic Sounds of 13th Floor Elevators

The 13th Floor Elevators / The Psychedelic Sounds of 13th Floor Elevators

テキサス出身のカルトバンド。 他のサイケデリック・ロックバンドとは比にならないほど危険な香りが充満しており、 壺に口を突っ込んで奇妙な音を鳴らすなど、新しい試みが多数なされています。 当時のローカルバンド特有のガレージ臭さや、録音状態の悪さのせいでB級扱いされがちですが、 Beatles「Sgt. Pepper's〜」やBeach Boys「Pet Sounds」と並んで称されるべき作品だと思います。

Gandalf / st

Gandalf / st

極上のメロディが鳴り響くソフトサイケの名盤。 69年リリースですが、実際は67年に作られたアルバムです。 変態的なエフェクトと、ポップスとしても通用しそうな美メロが特徴。 ドリーミーな独特の空気感が漂う作品となっており、同じサイケでもPink Floydの1st等とは全く毛色の異なる穏やかな雰囲気です。 現在では安易にCDの入手が可能ですが、一昔前はオリジナル版が高値で取引されていたそうです。

関連カテゴリー