主に80年代後半から90年代初頭にかけて、カリフォルニア州の東湾岸地帯で築かれた独自のパンクシーンを指します。
それらに共通する音楽スタイルは特に無く、メロディックパンクやハードコア、ロカビリー、エモなど多種多様なバンドが活動していました。
つまりイーストベイ・パンクとは音楽スタイルを指す言葉ではなく、それら一帯のシーンを指す言葉なのです。
ここではサクラメントのバンドも含め、イーストベイ・パンクシーンで活躍したバンドの名盤を紹介していきます。
ジェフ・オットを中心に結成された、イーストベイの代表格とも言える偉大なバンド。 ClashやStiff Little Fingersなどの初期パンクからの影響が顕著で、しっかりとした土台を持ったバンドである事が分かります。 ダミ声のボーカルとガタガタの演奏に隠れがちですが、よく聞くとメロディが非常にポップなのも特徴。 Green DayやOperation Ivyなどの多くのバンドが彼らをリスペクトしており、現代パンクのルーツとも言える存在です。
元Spazzのクリス・ドッジが在籍していたスラッシュ/ハードコアバンド。 しかしそんな肩書きの割に凶悪さは微塵もなく、子どもが悪ふざけしているような雰囲気です。 1曲1曲が異常に短い上、脈絡も全く無し。 アニメ・ソングのカバーやSex Pistolsをコケにした曲など、ただひたすらに暴走を繰り広げています。 普段ハードコアに馴染みがない、ポップパンク等が好きな方にもお勧めの内容。
Lookout! Recordsの創立者であるローレンス・リヴァモアを中心に結成されたバンド。 当時Green Dayのメンバーがサポートとして関わったりしていたそうです。 音に関しては特に注目すべき点も見当たらないのですが、レーベルを興す事によってCrimpshrineやOperation Ivyの名を知らしめた功績は非常に大きいです。 ちなみに本作はCD化されておらず、入手は困難。
Monsulaと並び、ポスト・ハードコア的なアプローチを見せるバンド。 Fugazi等のDischordバンドから影響を受けたと思われる、エモ―ショナルな熱いサウンドを聴かせてくれます。 純粋なメロディック・パンクを期待して聴くと少し違和感があるかもしれませんが、初期Snuffに通じる部分もそこかしこに感じられます。 本作は1stアルバムにEPの曲をいくつか追加した編集盤。
Green Dayのビリー・ジョーやCrimpshrineのアーロン、Fuelのマイク等が参加するバンド(マイクは本作のみ参加)。 ラフなメロディック・パンクと言った感じの、いかにもイーストベイらしいサウンドです。 ビリーとマイクのかけ合いが素晴らしく、それだけでも聴く価値のある1枚。 イーストベイパンクファンは是非とも押さえておきたい作品です。 本作は初期のEPやコンピ曲等を集めた編集盤。