HomeMusicPower Pop(1990~)

power pop

パワーポップは70年代後半から現在にかけて存在する息の長いジャンルですが、それを一まとめに扱うのは少し無理があります。

特に90年代におけるパワーポップリバイバル以降のバンドは、音もラウドなものが多く、旧来の物ほどシンプルなロックンロールを奏でるバンドは少なくなってきました。

しかし、ルーツにあるのはやはりRaspberriesなどの先輩バンド達。 表面上の音は変われど、根底の部分に変化は無いのかもしれません。

この頁では、90年代以降のパワーポップの名盤を紹介していきます。

Power Pop

Power Pop

カラーページが多くて見やすい、パワーポップのガイドブック。レビューはこちら>>Book

※バンド名/アルバムタイトルをクリックすると、そのバンドの公式HPもしくはファンサイトへ飛びます。

Matthew Sweet / Girlfriend

Matthew Sweet / Girlfriend

彼が新世代パワーポップを代表する地位を確立した3rdアルバム。 前2作も悪くはないのですが、本作から抜群のソングライティング力を遺憾なく発揮しています。 ジャングリーなギターに甘いメロディが絡む、シンプルで親しみやすい楽曲がズラリ。 凝った事は一切やっていなくとも、純粋に曲の良さが伝わってくる内容です。 更にライブのような演奏感を帯びたサウンドで、文句のつけようがありません。

The Posies / Frosting On The Beater

The Posies / Frosting On The Beater

90年代に入り、パワーポップがオルタナに接近した事を分かりやすく説明してくれるのが本作。 それまでの彼らのアルバムに比べ、音圧が一気に増しています。 しかしそんなラウドな音作りの中にも甘いメロディが埋もれていないのはさすが。 Matthew Sweetと並び、90年代パワーポップを代表する存在であることは間違いないです。 ただ、本作があまりに素晴らしい内容だったため、以降の彼らのアルバムが見劣りしてしまうのも事実。

Fountains of Wayne / Utopia Parkway

Fountains of Wayne / Utopia Parkway

ニューヨークを拠点に活動を続ける4人組。 1stアルバムをリリースした時点では2人組みのスタジオユニットだったのですが、 本作からはメンバーを揃えて正式にバンド形態をとるようになりました。 シンプルなロックンロールからピアノの鳴り響くスローナンバーまで、曲のバリエーションは多種多様。 勢い任せな部分のあった前作と比較すると、その緩急の付いた曲展開に驚かされます。 パワーポップという枠に留まらず、90年代のロックを代表する1枚。

Weezer / st

Weezer / st

日本でも非常に人気の高いバンドです。 エモにカテゴライズされる事もありますが、基本は60年代の音楽をベースにしたニューウェイビーなパワーポップバンド。 メタリックなギター等から、どことなくPixiesの影響も感じられます。 本作は元カーズのメンバーをプロデューサーに迎えた1stアルバムで、「Buddy Holly」など後世に歌い継がれるような名曲を多数収録。 ジャケットに写るメンバーのナードな佇まいにも好感が持てます。

関連バンド

Pixies…Weezerの特徴であるメタリックなギターや特徴的なシャウトは、Pixiesの影響が大きい。

Buddy Holly…Weezerのボーカルであるリバース・クオモが尊敬している。

Redd Kross / Third Eye

Redd Kross / Third Eye

LAで長期に渡って活動を続けてきた彼らが、ようやくメジャーデビューを飾った作品。 初期の頃のパンクサウンドはほとんど消え去り、本作ではすっかりパワーポップが板に付いています。 感触としてはJerryfishに近いのですが、もう少し攻撃的な感じ。 Bad FingerRaspberries直系ロックンロールナンバーのオンパレードです。 次回作「Phaseshifter」ではグランジに急接近するものの、ポップ&キャッチーなメロディは損なわれておらずそちらもお勧め。

The Wannadies/ Bagsy Me

The Wannadies/ Bagsy Me

スウェディッシュポップのブームが去った後でも根強い人気を誇る彼ら。 前作「Be A Girl」で一皮剥けた印象でしたが、本作はそれを軽く上回る内容となっています。 王道と言えば王道のスタイルなのですが、純粋に曲が素晴らしい。 更に本作は3分ほどの曲が半数を占めており、息もつかせず一気に聴かせてくれます。 キラキラ輝く青春パワーポップをやらせれば、彼らの右に出るものはいないでしょう。

Model Rockets / Hilux

Model Rockets / Hilux

いかにもシアトルらしい疾走感溢れるパワーポップに、少しカントリー風味を効かせたような味のあるサウンド。 ちなみに前身バンドはStumpy Joeというパンクバンドでした。 Young Flesh FellowsやFast Backs、Posies等と交流を持っていただけあって、音もそれらのバンドに通じる部分があります。 パワーポップ好きはもちろん、Lucero等のオルタナ・カントリーが好きな方にもお勧めの1枚。

>>My Space

Velvet Crush / In The Presence Of Greatness

Velvet Crush / In The Presence Of Greatness

日本におけるギターポップ/パワーポップ・ブームの火付け役。 本国アメリカよりも日本で人気があったのは有名な話です。 本作はMatthew Sweetをプロデューサーとして迎えた彼らの代表作で、初期Teenage Fanclubにも通じる甘酸っぱい青春サウンドを鳴らしています。 アメリカのバンドにも関わらずCreationからリリースしただけあって、イギリスのバンドにも通じる部分がアリ。

Jellyfish / Spilt Milk

Jellyfish / Spilt Milk

変態ポップ職人の異名を取る彼ら。 90年代パワーポップの立役者と言っても過言ではありません。 BeatlesやBeach Boysはもちろんの事、Queenからの影響も絶大で、その卓越したコーラス・ワークは完璧すぎる程。 2ndである本作は、前作以上に完成度の高いひねくれポップサウンドを聴かせてくれます。メンバーの不仲であっけなく解散してしまいましたが、メンバーはそれぞれ様々なプロジェクトで活躍しています。

Greenberry Woods / Rapple Dapple

Greenberry Woods / Rapple Dapple

3人のソングライターを擁す、ボルチモアで結成された4人組。 本作はどこまでも青臭く甘酸っぱい、疾走感のある楽曲が並んだデビューアルバムです。 独特の切なくメランコリックな雰囲気は、他のバンドには無い彼らの持ち味。 発売当時はほとんど話題になりませんでしたが、90年代パワーポップの隠れ名盤であることは間違いありません。 プロデューサーはブライアン・ウィルソンとの仕事で知られるアンディ・ペイリー。

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